備忘録のようなもの

思うことのあれこれを記録しておくところ

ハンカチ880円

 ハンカチを買った。ショッピングモールを足早に歩き回っていたときに、ふと立ち寄った雑貨屋で一目惚れした。ハンカチはタオル生地のものしか持たない主義――と言えば格好がつくかと思ったが、単におしゃれなものが苦手なだけで、人からもらったタオル地のハンカチを延々と愛用しているようなわたしが、自分のためにハンカチを買った。

 シーラカンスの刺繍が施されたハンカチは、税込み880円。高いのか、安いのか。ハンカチの相場など知る由もないけれど、まあ、正直、安物ではある。ただ、シーラカンスがよかった。一目でシーラカンスだとわかったときのあの感動は、隣にいた母にはまったく伝わっておらず、「あ、それシーラカンスなんや」という無感動な返事がちょっと面白かった。

 どう見てもシーラカンスやがな、というかもはやシーラカンスって言いたいだけみたいやんけ。そう思いながらレジにハンカチを持っていく。そもそも、今日はハンカチを買いに来たわけではない。仕事納め前の最後の休みだったから、とにかくどこかで買い物がしたかった。

 愚痴の日記に、思いがけずいろんな人から励ましのコメントをもらった。うれしいやら恥ずかしいやら。今は、ちょっと不甲斐なさが勝ってる。さすがに、このまま駄々こねてても格好悪いし。こんな世情で、次の仕事がすぐに見つかるかもわからないし。探しはするけど、急ぎはしない。そんな感じ。

 今はただ、目の前のことに全力で取り組むだけだな、と思う。「みんなそうだよ」って言われたけど、休みの日に仕事のことが気になって休んだ気になれない職場って、わたしに限らずやばくない? って思うんだけど、このご時世なら、みんなそうなんだろうな。そう思っておくことにする。世の中どうなってんの。ハードモードがすぎるでしょうが。

 これを読んでくださったあなたも、きっと大変だと思います。大変だけどがんばろう、なんてぜったい言いません。大変で、つらくて、マジでくそくらえだけど、わたしたちがんばってるからえらいと思う。そう思いましょう。あなたも思ってくれるとうれしい。わたしもそう思ってるんで、安心してください。

 シーラカンスほどの面の皮(鱗か、あれは)があれば、海底でも悠々と生きていけるんだろうな。あいつすげえな、やっぱり。生きた化石はレベルが違うわ。