備忘録のようなもの

思うことのあれこれを記録しておくところ

「現代俳句」2021年1月号 雑感

 今年は毎月読んでなにかしら残すと決めたので、ひとまず1月号。こんなページあったのかぁ、と今更なことを思いながら読みました。ただの雑感なので、大したことは言ってません。ひとりごとだと思ってもらえると助かります。

 表記もろもろまずいところがあればTwitterからこっそり教えていただけると助かります。基本は「読んで思ったこと」を書いているだけなので大丈夫だと思います、多分。

 

 

列島春秋

 北海道が「中北海道・東北海道・南北海道・北北海道」にブロック分けされてて納得。広いもんな。めちゃくちゃ広いもんな、北海道。兵庫……はさすがに分かれてなかったか。まあ、北海道ほどじゃないもんな、そりゃそう。

「春秋余滴」の写真、モノクロなのもったいないなぁ……印刷費の関係でここまでカラーにしたら経費爆上がりするんだろうなぁ……それにしても、このコーナーめっちゃいい。勉強になる。

 白くはない雪が記憶の中に降る 朝賀みどり/大分

 雪はいろいろな色の光が反射していて、すべてが混ざり合って白く見える、らしい。「白くはない雪」とはなにかと思って調べてみたところ、微生物が発生して赤く見ることがあるらしい。ただこの句の中の話で言えば、何色でもいい。白じゃないということが大事。朝賀さん、あるいは句の主体が見た雪は、白ではなかった。いつかの記憶。淡い孤独。「白くはない雪」のロマンをぶち壊す物言い、強くて好き。

 

伊藤園おーいお茶新俳句大賞

 広告見て「あ!」って思った。そういえば、もう二年くらい出してない気がする。お茶一ケースもらえるから、佳作かなんか入ったらもらえるからね、これ。出しましょう。お茶欲しい。あわよくばお金欲しい(全部言う)

 

直線曲線「明日の俳句/高岡修」

くり返すが、すでに否定しえないものを否定するから、いけないのだ。それぞれが主流でありながら、それぞれの主義を認めあう、そんな共存の精神こそが必要なのだ。

 「すでに否定しえないもの」って、わかるけど、むずかしい。「主流」になるまでは、否定されるわけだし。いや、まあ、主流になっても否定されることがあるのは百も承知で。なんだろう、もっと気楽に構えていただけないものか、と思うんだが、否定したい人というのはやっぱりいるんだろうな。あっち立てればこっち立たず、ってやつかしら。いずれにせよ、ジャンルのすみわけ、みたいなものってどこにでもあって、すみわけがうまくいかないと怒られちゃう、みたいなね。なんだろう、この生きづらさ。

しからば、俳句もまた、内実の変容とともに、真の芸術の姿を、未来へ掲示しようではないか。そう、じつに奇跡的な、じつに強靭なる時の多面体として。

 強い。めちゃくちゃ強い。ハードオブハード。内容そのものは「……強い!」という感想しかないんだけど、文章のリズムがかっこいいので引用させていただきました。「じつに奇跡的な、じつに強靭なる時の多面体」ってなに。かっこいい。なんか、アイドルを形容するときにも使いたい。無双でしょ。この熱量でわたしが句作をするかと言えば否だけど、高岡さんの志はすてきだと思います。「真の芸術の姿」ってどんなだろう。見てみたい。

 

随想「平家ハ、アカルイ/河原徳子」

 太宰の著「右大臣実朝」の話なんだけど、すごく読みやすい文章でさらさらと読んで、ほほう、みたいな。わたしは太宰が好きだから、最期がひどいと思ったことはないんだけど、最期まで太宰治っていうスタイルがやっぱり魅力的なんだよなぁ。そういう意味では、この作中の「アカルサハ、…」という文言もまた、太宰の主義というか、主張でもあるんだろうな、と。

現代社会に於いても、「明」の内に潜む「滅」を、私たちは多く見てきた筈だ。

 明るさは滅びの姿であろうか。という言葉で最初に思い浮かんだのは、爆発だった。爆発の瞬間は明るい。閃光のあとには必ず崩壊が待っている。乱暴で、理不尽で、暴力的な破滅は、多分、これからも避けては通れない。ただ、影だけを見つめて歩くのはやっぱり違う。明るさは「いつかの」滅びの姿ではあるけれど、今すぐではない。

 

「現代俳句の風」秀作を探る

 感銘の一句に同じ句があがっていると、それぞれの評を読むことができておもしろい。なるほどなるほど、と思いながら、評を書く方は隅々まで読んでいらっしゃるんだなぁ、と。マスクの句、「コロナ」と書いていないけれど、コロナ禍だからできた句だな、と思いました。あとこのマスク、不織布ですかね。

 今日を生き今日のかたちのマスク取る なつはづき

 

第二十二回現代俳句協会年度作品賞

 「そんなのあるんだぁ」みたいなことが多すぎて、己の無頓着ぶりを恥じた。今年はね、こういうのちゃんと調べて、ちゃんと出したい。うん。出します。この間5,000円出したからかな。「2,000円でいいんですか?」って思いました。すいません。現金書留封筒、まだあるかな。

 

 この感想も、あと11回書き切る頃には、もう少しマシになっていたりするんだろうか。読み物として多少は面白くなっているんだろうか。自分のこと全然期待してないけど、せめて句の感想くらいは、読みの甘さはどうにかなっていて欲しい。

 仕事やらなにやらを言い訳にして積まないで、届いたらすぐ開けてとりあえず読み始める。という誓いをここに立てて1月号は終わります。有言実行。ひとまず一年やってみます。継続は力なり。