備忘録のようなもの

思うことのあれこれを記録しておくところ

「現代俳句」2021年3月号 雑感

 気が付いたら3月が終わろうとしている。そんなバカな。この間2月だったじゃんかよ。どうなってんだいおいおいおい。この間できたことが早速できてない。さすがわたし。わたしが過ぎるというもの。ここまでくるとわたしのプロ。

 はい、というわけで今月号、読みながら書きます。そんな感じで書くことがあってもいいじゃないか。いいんです。わたしのブログだから(ひっでーな)

 

俳句ひらく

金魚は魚でしようかはなびらと思うのに 伊丹公子

伊丹啓子さんの評に「金魚は魚だが、鮒の突然変異から人為的に変化させ続けた結果の生物だ。(中略)生き物として哀しい生存の姿でもあろう。」と書かれていたのですが、その哀しい生き物を「はなびらと思うのに」と言う。腑に落ちていない感じ、やさしい雰囲気の中に力強さがあって、好き。

 

「翌檜篇」(27)

 関西青年部のターンなので読んでくださーい(宣伝!?)

新型コロナウイルス感染症拡大の状況下における作品をお寄せください、条件はひろくご自身の解釈でお考え下さい」という依頼だったので、自粛期間中を思い返して作りました。

 まずは提出作品からちょこちょこと。お会いしたこともある方のお名前もあったので、みなさんお元気そうでなにより、と思いつつ読みました。風の便りならぬ、句の便り。

土凍てる神域入りて初詣 杉森大介

初詣もだんだんとイベントのひとつになりつつありますが、神域に立ち入るという気持ちは忘れたくないもんです。誰もいないと、神域に戻るのかもしれませんね。

会へなくてうすまる啓蟄のスープ 佐々木紺

「うすまる」がひらがななのが薄まってる感じがあって面白いですね。約束は冬だったのかな。早く会いたいですね。うんうん。

非想天より鳥貝を叩きつけ 吉田竜宇

……どこ? どこよ、それは。わからない言葉は調べるに限る。「非想天」とは「無色界の第四天で、三界の最頂部」……わからん。仏語は難しい。さっぱりわからん。ここで生まれるものは煩悩がないらしい。いや、もっとわからん。わからんけどかっこいい。

電卓にゼロだけ残り寒卵 藤田俊

お仕事でしょうか。家計簿でしょうか。お疲れさまです。「ゼロだけ残り」という言葉に、そのゼロを見つめて思わず溜息が漏れた様子を想像しました。いやはや、お疲れさまです。

生垣を曲がって午後のミーティング 秋房祐亮

のどか。とても、とてものどか。きっと晴れてて、ちょっとあったかい。今日は出社日なんですかね。いいっすね。いってらっしゃい。

咳に「いるよ」きりすと 浜脇(野放流)不如帰

「きりすと」はキリストのことでしょうかね。これもこれで、わからんのですけど、わからんという楽しみがあるのがいいですね。咳にいるのか。そうか。いるといいな、神も。

カタカナに洗脳される五月闇 柿谷有史

素直に共感する句でした。連日ニュースでなにを言っているんだかわからなくなっていましたし、五月と言えば緊急事態宣言が解除されたということもありました。本当に洗脳されていた時期でしたね。

クレヨンの緑転がす春の画布 藤田亜未

転がしているから描いているわけではないのかな。子どもがコロコロしてるのかな。それ、使っていい? あ、だめ? だめか。そうか。でも緑使いたいから貸して欲しいな。あ、だめか。そうか。仕方ない。絵は後にしよう。

パスワード何度も入れて霾曇り 稲野一美

わかる~~~~~たまにロック掛かってできなくなっちゃうやつ~~~結局「パスワードをお忘れの方はこちら」を押さざるを得ないやつ~~~。通販サイトや振り込み案内、オンデマンド配信などなど、いろいろとお世話になることが多い今日この頃ですね。

ついてゐるだけのテレビや水温む 野住朋可

見ていないなら消せばいいのに、なんとなくニュースが流れてる。毎日同じような話しか流れないのに、消せない。いや、消さないだけかも。静かな部屋がさみしくて、でも、ついてたってむなしいこともあるんだけど。そんな時間も、確かにあったな。

会えなくて冬日だまりをほしいまま 久留島元

「~啓蟄のスープ」の相手の人ですか? と冗談も言いたくなるような、偶然の「会えない」句。こっちは日だまりを独り占めしてるみたい。独り占めしながら、会えないことをふと思う。かわいい。

 

はい。翌檜篇だけかい! という感じですが、翌檜篇をちゃんと読む、というのも大事だと思うことにします。来月は、もうちょっと、なんとか、したい……いや、どう書けば正解かわからないから、もうこんな調子で好き勝手やっていいっすか。いいよね、わたしのブログだし(冒頭に戻る)

 

最後に、わたしの「新型コロナウイルス感染症拡大の状況下における作品」を置いて今月分終わっておきます。今月の雑感、悪い癖(かは知らんが手癖)出すぎてなんか恥ずかしい! すいません! 感想書かせていただいた作者のみなさま、こんな人ですが関現俳ではどうぞよしなに!(ここで言う)

春風に畳むダンボールのお城

野良犬の骸にふれるしゃぼん玉

魔除け札映るウェブ会議の春日