備忘録のようなもの

思うことのあれこれを記録しておくところ

関西現代俳句協会青年部勉強会 佐藤文香×岡野大嗣

◆関西現代俳句協会青年部勉強会 佐藤文香×岡野大嗣

 日時:2017年10月8日(日)10:30~12:00

 会場:らこんて中崎1階

 主催:関西現代俳句協会青年部

 メモ魔のわたしがメモをし忘れたためレポートではありませんが、ゆるっと雑感を書き残しておきます。

 若さと女子力を兼ね備えた女子大生が多くて、「Oh……アウェー」と思わず吐露してしまいました。ビジターともいう。

  会場につくと、パイプ椅子を並べている人たちがちらほら。なるほど、セルフね……と運ばれてきたパイプ椅子を広げ、着席。ううん、完全にアウェー。まあ、わたしどこへ行ってもアウェーなんですけど。実家以外すべてアウェーですよ、あはは。

 正真正銘のフリートークだったのですが、佐藤さんも岡野さんもテンポよく話してくださるので、退屈せず、それどころか刺激的でとても楽しいひとときでした。

 気になったお話をざっくりメモしておきます。

おしゃれ文学少女は句集を手に取らない

 正しくは、「短歌はおしゃれ文学少女も読むけれど、俳句はそこまで行ってない」。実感として、わたしの友人や母は読書が好きですが、句集を読んだという話は聞きません。日本文学全集を読んだと豪語する母に「じゃあ正岡子規は?」と訊くと、「俳句は読まないよぉ」と笑われた記憶があります。なんでやねん、むしろ俳句だけ残すのなんでやねん。そう思いつつ、なんとなーくわからなくもない。

「句集ってあんまりおしゃれじゃない(印象が強い)」というようなお話もあり、そういう意味で『天の川銀河発電所』は、思わず手に取りたくなるような装丁。なるほど、これがインスタ映えか。これからの句集に、そういう要素が必ずいる、とまでは言えないまでも、「読者層を広げること」の一端はになっていくかもしれない。

 佐藤さんが「カタログ的な感じで読んでもらったら」というニュアンスのことをおっしゃっていて、「なるほど、それでいいんだ」と。句集だのアンソロジーだの、なんだか堅苦しく考えすぎていたようです、わたし。もっと気軽に読んでいいし、まあ、読まなくてもいいわけですけど(それ言っちゃおしまいだよ)

短詩の可能性

 おふたりの話を聞いていると、おふたりとも短詩への可能性を信じていらっしゃるんだな、という感じがしました。そりゃ信じているから選んでいるんですが。

 岡野さんは「短歌に興味がない人にも届くように」心がけていらっしゃるようですし、佐藤さんもアンソロジーを「カタログ的」と形容していらっしゃるわけで。「作る」のは当たり前として、その先、「伝える」「届ける」部分をどうするか、どうすればいいか、というのを考えていて。その試行錯誤って、すごく大事だし、そういう試行錯誤をする人がいる世界というのは、(例えどれだけ高齢化が叫ばれ、若手不足が嘆かれていようとも)明るいんじゃないかなァって思います。

 その一筋の光を「なんだあの光線は」と煙たがる人もいるでしょうし、「すげえかっこいい!」と魅力を感じる人もいるわけで。いずれにせよ、知った人に強烈なインパクトを残す、というのは「伝える」「届ける」ひとつの方法ですよね。

題詠が好きな佐藤さん、題詠が苦手な岡野さん

 質問コーナーで「題詠、どうしてますか」みたいなニュアンスの質問が出て、ちょうどおふたり意見が正反対だったのがおもしろかったです。岡野さんは「苦手です」と。いわく、「題に寄せて書くと途端にへたくそになる」のだそうで。一方、佐藤さんは自ら題(というかルール)を設けるとのこと。「縛られて縛られて書くのが好き」と笑顔で話す佐藤さん。一瞬、意味を取り違えるところでした(コラ)

 岡野さんからのアドバイスは「題のことだけ考えず、一度離れてみる。題について文章や他の言葉で表して、そこから考える」。確かに、気づいたらそのことばっかり考えてしまうなァ、と。ちなみに、苦手と仰っていた岡野さん。題に近い(基準をクリアできる)ものを、普段作っているところから選んで提出するそう。

「作り方を忘れるから毎日作ってます。子どもの頃使えた魔法が使えなくなっちゃうみたいに、常に触れていないと魔法が使えなくなっちゃうんですよ」と、やわらかな声でおっしゃる岡野さんが、なんだか本当の魔法使いに思えて、妙に納得してしまいました。

 

 長い! 相変わらず長い!

 脈絡もなく書いてしまいましたが、発言などはニュアンスですので、どこかで詳細なレポートをご覧ください。アットホームな雰囲気で、とても勉強になるお話でした。

 あ、そうそう。勉強会のあとランチについて行ったのですが、テーブルでもたくさん勉強させていただきました。ランチだと気軽に行けるので、「日照時間=活動時間」のわたしとしてはすごくありがたかったです。

 勉強会のテンションそのままに流れ込んだ俳句ラボも、大盛り上がりで楽しかったです。とっても楽しい俳句漬けの一日でした。