いてもたってもいられない、というのはこういうことを言うんだなぁ、と最近思います。スタ誕、実は舞台挨拶にも行っていないし、前売りも「母上と妹ちゃんと一緒に1回観よう」と思って買っただけ。つまり、公開が決まったときも、公開直後も、それほど思い入れがあったわけではなかったんですよ。観たらコノザマですけど。
ただ、これから観る人の中に「関西Jr.をよく知らない」「お笑い芸人のこともよく知らない」「ほんとうにおもしろいの?」という人がいるだろうな、と思ったので、この話をしようと思います。
関西Jr.を全然知らなくても大丈夫
「あてがき」ってあるじゃないですか。役者に寄せたキャラクター設定だったり、役者のパブリックイメージで書かれた脚本だったり。そういうわけでもないようなので(いかんせん舞台挨拶や雑誌で情報収集していないので正確にはわかりませんが)、その辺は全然問題ないと思います。その子のことを知らないと楽しめない、というような演出は一切ないです。
その代わり、観たときに「この子のあのシーン、よかったな」と思ったら、それはイコール、その子の魅力です。間違いないです。笑顔がかわいい、切ない表情がうまい、声がやさしい。なんでもいいです。「いいな」と思ったら、(演技であることは当然ですが、それも含めて)その子そのもののよさだと思ってもらって大丈夫です。
「あの○○役の子、よかったな」これで大丈夫。
お笑い芸人の世界を知らなくても大丈夫
ただし、お笑いファンの方にも刺さるようなので、お笑いファンの方にもぜひ見ていただきたい。ただ「お笑い芸人のことよく知らないよ」という方でも大丈夫です。養成所、ライブ、楽屋裏などなど、(それなりの脚色はあるものの)雰囲気を楽しむことができます。営業先の客席がガラガラ、あるんですよね。実際ね。そういう妙なところでリアルな感じも、この作品のよさだと思います。脚本の方が元お笑い芸人さんなので、その辺はいい塩梅で、シリアスになりすぎない程度にリアルを混ぜてくださっています。
「どうして芸人を志したか」「なぜ今芸人をやっているのか」という物語の根幹が、アップテンポながら丁寧に丁寧に描かれているので、決して置いて行かれることはありません。養成所の話が冒頭に出てきますが、説明もちゃんとあるので安心ですよ。
「こういう世界なんやァ」とラフに構えてもらえれば大丈夫。
とにかく脚本・演出に愛があるから大丈夫
時々あるじゃないですか。観てる人を置いていくストーリー展開。シュールと意味不明を勘違いしているような(突然の暴言)
アイドル映画は突拍子もなくていいですし、推しが出ていれば楽しめるじゃないですか。わたしもそう思って観に行ったクチなので、大声で言いますが、
ストーリー・キャラクター・間合いのすべてが計算されています。
これは冒頭と矛盾するかもしれませんが、少しでも関西Jr.を知っている方ならば「なんでこの子がこの役?」と思ってもおかしくない配役なんです。おもしろいことを言うのが苦手だと公言している西畑くんがボケ、関西Jr.きってのお笑い芸人の藤原くんがいつものおしゃべりを封印したツッコミ。言い出せばきりがないですし冒頭と完全に矛盾するのでスルーしちゃいますが、そういう思い切った配役で「演技力に託す」感じ。
めっちゃ本気じゃないですか。
はじめて観たときに「あ、これ、やばいぞ。すごいもんできたぞ」って思って感動したんですけど、観終わったあと、純粋に「わたし、この話好きやな」って思ったんですよ。これはもうがっつりわたしの主観だし、好みなので「知らんがな!」って笑ってもらっていいんですけどね。
とにかくそれくらいしっかり作ってあるんで、大丈夫です。
92分、笑って、泣いて、好きにしてください!
と、まあ、ここまでダラダラしゃべってきましたが。わたししゃべるの下手なので、やっぱり観てください。観たら「ああ、えぬさんの言いたいことはこれか」と思ってもらえると思うんで。じゃあ今までのなんやったん、って話ですけど(ここ笑うとこ!)
上映回数や会場が減っているようなので、お時間の合うときに一度でいいから観ていただきたい。
なにを思っていただいても構いません。「言われたほどではなかった」と思われたら、それはそれで仕方がない! それはしゃあないわ! うん! と思っておりますので、半信半疑くらいで観ていただけたらと思います。
とりあえず、観て。観たら、わたしに、教えてください。楽しかったら一緒に共有しましょう。つまらなかったら、愚痴、聞きます。