備忘録のようなもの

思うことのあれこれを記録しておくところ

第13回鬼貫青春俳句大賞公開選考会・表彰式

◆第13回鬼貫青春俳句大賞公開選考会ならびに表彰式

 日時:2016年12月3日(土)14:00~

 会場:柿衛文庫 講座室

 選考委員:稲畑廣太郎氏(「ホトトギス」主宰)、山本純子氏(詩人)、坪内稔典氏(柿衛文庫也雲軒塾頭)、森山祐美杏氏(伊丹青年会議所専務理事)、岡田麗氏(柿衛文庫副館長)

 

 備忘録として、質問コーナーであがった質問と先生方の解答のメモ。ご一読いただく際は、内容がニュアンスであることをあらかじめご了承いただきたく。

 

 

Q.青春俳句大賞の「青春」とは。先生方の審査基準は?

坪内先生:今の自分(先生自身)が作れないもの。ある意味無茶苦茶でいい。

稲畑先生:作品を見ていると青春に帰る(ような作品)。共感する句。

山本先生:生活スタイルや(先生自身の)学生時代と共通していても、そうでなくてもいい。

森山先生:(坪内先生より「青春とは?」との質問があり)淡いもの。忘れていたが思い出すもの。

岡田先生:素直だけれども句にどうやって仕立てていくか。学生らしいで終わるのか、ということを踏まえつつ選ぶ。

Q.連作30句のむずかしさは? 相互関係は?

稲畑先生:季題でも人生でも出来事でも、なにかテーマを持つ。ただ、絞り込み過ぎても離れすぎてもダメ。

 

Q.はじめて俳句を作ったが、季語は必要か? 結社に入ると楽しいのか?

坪内先生:必要だと思えば必要、そうでないならそうでない。結社も同じ。

稲畑先生:時代として(明治あたり)結社で俳句を学ぶのが一般的だった。師の選を仰ぐとなると、○○作家(結社名が入る)として作る。作家としてのカラーを勉強するために、プロ・アマ関係なく結社に入る(という学び方)。なにをするにも楽しいことも苦しいこともある。スランプも無点もある。「ホトトギス」は季題があるという立場で活動している。

 

Q.詠むときはフィーリングか、否か?

坪内先生:感覚的にできる場合もある。締切があるから苦しんでいる間にひょこっとできる。句会に出ていると締切に間に合うように作る。ある種の集中を瞬間的に作る。仕事をしている頃は電車の中で作った。吊り広告を見たり。

稲畑先生:いい俳句は天から授かるもの。句会があれば作る。決められた句数以上は作るようにしている。対象をよく見ること。とにかく作る。五七五でできなければ言葉を書く。できるだけたくさん俳句を作ってみる。天から授かるために、器を持っていなければならない。

山本先生:一つ目は締切。追い詰められないと作らない。二つ目は船団の冊子を読んでいる間にそういう気分ができるので、気分で作る。力のある人に近づく努力をする。

(先生方の話を受けて)

坪内先生:ひとりで作っていては作っていられない。孤独では作れない。閉じこもっていたらあまりうまく作れない。

 

 句作にフィードバックできるかはさておき、頭の片隅に置いて時々思い出したいお話だった。